地歌・箏曲は、日本固有の伝統音楽のジャンルの一つです。和楽器を使い、西洋音楽のドレミとは異なる独自の音階を用いて作られた音楽を演奏します。
地歌は、三味線音楽のジャンルの一つです。
戦国時代、中国大陸から沖縄を通じて日本に伝わった3本の弦を持つ楽器が、琵琶法師たちによって改良され、三味線が誕生しました。

地歌は三味線音楽の最初にできたジャンルで、弾き歌いを基本とし、中棹の楽器を大きめの撥(ばち)を使って演奏します。
地歌では「三絃(さんげん)」と呼ぶのが一般的です。



後に地歌から長唄、端唄などほかのジャンルが派生していきました。
これに対し、箏曲は雅楽の楽器として中国大陸から伝わった13弦の楽箏を基に、近世初期に現在の形になりました。

三絃と箏は本来別のジャンルの楽器でしたが、近世中頃に一緒に合奏するようになりました。
そのため、奏者は地歌と箏曲の両方を一人の先生から習い、演奏しています。また、三絃と箏のいずれも、歌いながら楽器を演奏するのを基本とすることも特徴です。歌の詞は、古い曲では和歌や古典文学を基に文語で作られ、現代の私たちにはなじみにくいものではありますが、日本人らしい豊かで細やかな情感や興趣を表現する文化的価値の高いものです。